鍼を受ける間隔~体にもお財布にも良い頻度とは?
「鍼を毎日受けてはならない」と思っておられる方は案外多いです。
毎日受けると、だんだん効かなくなって体に悪い、と世間では本気で考えられているみたいです。
鍼は麻薬みたいなものではありません。
疲労回復にお風呂に入るようなものですから、お風呂がクセになるとは誰も言いませんね。
病院に行けば、お薬が出ます。
お薬は「1日3回5日分」などと決まっていて。
それを守らずに「治りませんでした」とは言えません。
漢方薬も鍼灸も同じなのです。
施術というのは、病の勢いに対抗できるスピードと頻度で、立ち向かわないと負けてしまいます。
慢性疾患であれば、初回から1ヵ月くらいは、事情が許すかぎり詰めて通われること(週2回以上)をお勧めします。
慢性で変化がない時期は、止まっている車を押してやるくらいの力が必要です。
慢性で進行している時期は、バックしてくる車を押しとどめて前進に転じるくらいの力が必要です。
だから最初は勢いがとても大事です。
しかも、鍼灸院での施術は1時間程度ですから、あとの23時間、週1回では167時間は今までの生活をしています。
せめて鍼の効果が長続きしてくれるように、鍼の直後は休む、すぐに食事や運動をしない、コマメに散歩をするなどの自己努力をしていただけると、経過が良好です。
すっかり元のしんどさに戻る前に、次の施術を入れてもらうと、状態は少しずつ前進します。
鍼灸師は脈の戻り方をみて、最適な施術間隔を提案します。
早く治るためには、なるべくその提案を受け入れて頂きたいです。
体に変化を感じることができると、励みにもなり、それがまた体に良い影響を与えます。
その結果、施術期間も短くなって、経済的にも無駄がないと思います。
体力がついて自己治癒力が働き始め、「寝たら治る」レベルまできたら症状はぶりかえしません。
あとはその症状を引き起こした生活習慣をチェックします。
そして再発を防ぐための、体調管理の鍼灸をおススメします。
老化と疲れには誰も逆らえませんから、アンチエイジングにもなる鍼灸でケアしてはどうでしょうか。