葛根湯が効くのは?
今年は昼と夜の寒暖差が大きいですね。
紅葉はきれいですが、風邪ひきさんも多いです。
しかも、グズグズと治りきらない
中医学では、カゼを大きく2種類に分けます。
寒気、ふるえからくる「傷寒」と、軽い寒気が一瞬来てすぐ発熱する「温病」
ショウカンとウンビョウと言います。
傷寒は、文字通り、寒さに傷つけられるカゼ。
インフルエンザも傷寒です。
胃腸炎でも、体から出たモノが、あまり臭わない時は傷寒です。
また、同じ傷寒でも、体力のあるなしで、症状が変わってきます。
でも、体を温めて、汗を出してカゼを追い出す方法は共通です。
カゼが長引くのは、薬で熱を下げた時にうまく汗が出なかったか、汗を出す体力がなかった時。
葛根湯は、傷寒の最初に効く漢方薬です。
飲むタイミングが大事で、急に肩こりと寒気がするなぁ、という瞬間に飲んで下さい。
汗はかいてないことを確かめて。
もう熱が上がってきたとか、咳が出るとかになると葛根湯では手遅れです。
また、温病であれば、葛根湯は効かないです。
温病は、もともと熱帯にあった伝染病系で、マラリアや鳥インフルエンザをイメージしてください。
子供の熱でいきなり発熱、というのも温病系です。
とにかく、寒気は一瞬で過ぎ去り、体が熱い、舌が赤い、のどが渇くという症状です。
スペインでは、子供が発熱した時に、水風呂につけなさいと言われて驚きましたが、アフリカのお向かいなので、子供は温病系にかかるのでしょうね。
温病は冷やす、なのです。
そして熱をおしっこやウンチで出すと、楽になります。
小さいお子様は、浣腸をしてでも便を出し、熱が内臓を傷めないように気をつけて下さい。
O157が、下痢を止めて腎炎になったように、熱をこもらせると怖いです。
この頃は、解熱剤を出さない小児科が増えてきました。
熱が38℃を超えると、体にあるがん細胞の芽は死滅するとは言いますが、やはり熱が出るとしんどいですね。
熱が下がった次の日に、しっかり休めると、そのままカゼはスッと治ります。
でも、たいていの方は熱が下がると、日常生活に戻って無理をしてしまいます。
そして、いつまでも咳やだるさ、食欲不振を抱えてしまう・・・・
そんな時も鍼灸がお手伝いできます。
ストレスを取るだけで、カゼのグズグズがなくなる方も多いですよ。
体を動かしたり、呼吸法をしたり、鍼灸したりして、体の気血を活発に循環させることは大事ですね