蓄積疲労はなかなか戻らない~少しずつ進む怖さ
(ヨミドクター8/17の記事より)
東京「エビス心療内科」の堀史朗院長が提唱した「蓄積疲労」は、まさに鍼灸院に来られる方々の症状です。
内科や婦人科などで検査してもらっても、データの異常は出ないのに、症状は確かにある…
動悸、腰痛、胃痛、皮膚の違和感(痛み、感覚異常、ピリピリなど)、耳鳴り、音過敏、視力低下でないかすみ目、だるさ、全身倦怠…
これらは毛細血管の詰まりから起こることがわかりつつあります。
皮膚表面だと細絡(サイラク)と呼ばれる糸ミミズ状のものが見えます。
毛細血管が詰まったのでバイパスができて、詰まった部分は切り捨てられ、表面に浮いてくると言われています。
このようなことが、表面だけでなく体の内部や脳の中で常に起きているとしたら…
そりゃあ脳も内臓も筋肉も酸素と栄養不足になりますよね~(泣)
困るのは、体はとても頑張り屋さんだということです。
毛細血管が詰まってきても、日常生活はこなしてくれます。
そして「もう限界だ!」と症状に現れたときには、かなり毛細血管のつまりは深刻化しているのです。
だから「蓄積疲労」と名付けられたそうです。
脳が酸欠ならぼーっとするし、誤作動して自律神経やホルモンバランスが崩れます。
内臓が酸欠ならダルいし、消化や代謝も落ちます。
筋肉が酸欠なら硬くなって凝るし、動作も鈍くなります。
ではどうすれば良くなるのでしょうか?
- 睡眠をとる
- 毛細血管の血行をよくする
なんだ、普通やん!
毛細血管の血行向上は、鍼灸的には「気を巡らせる」ことに尽きます。
すなわち、
- 冷えや熱を取る(血をサラサラにする)
- 肝気欝滞を取る(交感神経を緩めて血管を柔らかくする)
- 湿痰や瘀血をとる(血をサラサラにする)
- 気を補う(血を押し流す力をつける)
- 血を補う(血の量を増やす)
など原因に応じたアプローチをします。
元気が出てきて、体が動かせるようになったら、鍼灸効果を持続するための運動を取り入れます。
とりあえず、深呼吸をマメにすることから始めましょう。
蓄積疲労は、蓄積した年月だけかかるとこを覚悟して、焦らず直していきましょう。