卵巣の手術は慎重に(2)~医師によって考え方が異なるようです
先日、不妊カウンセリング学会の講習会に参加しました。
そこで、日頃疑問に思っていたことを、講師に質問させていただきました。
その内容をお伝えしていきます。
少し前のコラムに、卵巣の手術は安易にしないで、と記事を書きました。
しかし、手術する方が妊孕力(にんようりょく)が高まるかどうか、慎重に判断しないといけないようです。
婦人科で検査をしていくうちに、卵巣嚢腫、子宮内膜症、クラミジアによる癒着が見つかることがあります。
その対応は、医師のお考えによって、違いがあります。
つまり、細胞が変性したら、悪性になる前にできるだけきれいに取り去った方がいい、という考え方と、卵巣への癒着をきれいに除こうとすると、卵巣の正常な組織まで傷めてしまう、という考えがあるのです。
どちらもお客様の健康を願っての立場ですから、批判することはできません。
では妊活の立場から、どう判断すればよいのでしょうか?
手術をしないと・・・・
メリットとして、卵巣年齢は上がらない。卵の数は減らない。
デメリットとして、癒着によって卵管の動きが悪くなる、炎症が起きやすくなる、腫れが進むと卵管を圧迫する、
卵管の捻転などのリスクをかかえたままになる。
その結果、自然妊娠や人工授精が難しくなる。
手術をすると・・・・
メリットとして、自然妊娠が可能になるかもしれない。
病変を持っていることによるリスクと不安から解放される。採卵の時に、邪魔になる組織がないのでリスクが少ない。
デメリットとして、腕の良い不妊専門医に手術してもらわないと、卵巣への配慮が少なく、卵巣が傷ついてしまう。
手術をするべきかどうかは、
- 上記の知識
- 現在の状態がどの程度、妊娠を妨げているかの判断
- 年齢と選択した不妊療法の段階
というように、考える条件が多いので、医師としっかり話し合って決断されますように。