こころの炎とからだの炎
今日は二十四節季の17番目、寒露です。
「寒」の文字に違和感を覚える、季節逆行です。
逆行の時は、特に体調に気を付けましょう。
炎という症状を複数持っている(副鼻腔炎、中耳炎、膀胱炎、口内炎、関節炎、胃炎、逆流性食道炎、慢性上咽頭炎etc.)、傷がすぐに化膿して治りにくい・・・
そう感じるとき、からだの炎症の背景に“こころの炎”があることがあります。
生まれつき扁桃腺肥大がある、加齢によって炎症物質が増加している、という場合も多いので、一概には言えませんが、穏やかな気持ちで暮らすことの医学的な意味をおつたえします。
<精神状態と体内物質の変化>
① 怒り・イライラ・不満
→ 交感神経が優位になり、体は「戦う・逃げる」モードに入ります。
このとき増えるのが
- アドレナリン・ノルアドレナリン: 心拍・血圧上昇。
- コルチゾール(ストレスホルモン): 短期的には炎症を抑えますが、慢性的に増えると免疫のバランスが崩れ、炎症が続くようになります。
- サイトカイン(IL-6、TNF-αなど):慢性的な怒りや敵意があると増加し、動脈硬化・関節炎・腸炎などの炎症性疾患と関係します。
中医学的には、「肝気鬱結→肝火上炎→血熱・炎症」ですね。怒りが「火」を生みます。
頭が熱い、頭痛、イライラして考えがまとまらない、歯のくいしばり、目がかすむなど。
② 不安・恐れ・悲観
→ 主にコルチゾールの慢性上昇とセロトニンの低下が起こります。
- コルチゾールが高い状態が続くと、
→ 腸内環境の悪化(腸粘膜のバリアが弱まる)
→ 慢性炎症(リーキーガットや自己免疫反応の誘発)
→ 睡眠の質低下(メラトニン抑制)
- セロトニン不足は腸の炎症とも連動。腸内細菌バランスの乱れを助長します。
中医学的には、「心腎不交」「心脾両虚」などに通じます。
「気」が内にこもり、流れが滞る→発散できないので炎症のもとになる。
疲れやすい、便秘、ストレス性の動悸、食欲低下、考えが巡って眠りが浅い、など。
③ 愚痴・不平・悲しみの停滞
→ これらは副交感神経の過剰緊張やうつ状態に近い反応を生み、 免疫細胞(マクロファージやT細胞)の働きが鈍くなる
→ 炎症の修復が遅れる
→ 酸化ストレスが蓄積する
つまり、炎症が長引く体質になります。
中医学的には「脾の運化低下」「気滞湿阻」など、湿がこもって熱化しやすい。
むくみ、軟便気味、のぼせ、倦怠感、関節の腫れ痛み、など。
「前向きになりたいけど、そう簡単に切り替えられない」そう感じる人も少なくありません。
無理にポジティブになろうとするよりも、“気の流れ”を少しずつ整えていくことが大切です。
① 「感じる時間」をつくる
怒りや不安を否定せず、「今、私はこう感じているんだな」と静かに認めてみましょう。
感情を抑え込むより、認識して流すことが「気滞」を防ぎます。
② 小さな「感謝」を探す
寝る前に、今日あった小さな嬉しいことを一つだけ思い出します。
「お茶が美味しかった」「空がきれいだった」
たったそれだけで、オキシトシンやエンドルフィンが出て、炎症を鎮める副交感神経が働き始めます。
③ 呼吸でこころを鎮める
深呼吸は最も手軽な“自律神経のスイッチ”。
3秒吸って、6秒かけて吐く。
これを数回繰り返すだけで、心拍が落ち着き、脳内のストレス物質も減っていきます。
④ からだを温める
温かいお灸や湯たんぽ、散歩などで血流を促すと、こころもほぐれます。
「気・血・心」は一つの流れ。
からだを温めることは、こころを温めることでもあります。
⑤自分をほめる
「心を整えることを1つやってみてエライ!」
「つらさを乗り越えて今日も生きた私最高!」
自分を満たすことを続けると、心配や不平不満は減っていきます。
炎症は、体の中の“火事”のようなもの。
でも、心の中に小さな優しさや感謝の灯をともすことで、その炎を静かに鎮めていくことができます。
からだとこころの炎がともに落ち着いたとき、自然治癒の力は一番強く働きます。
私もそれを信じて施術させていただきます。
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枚方公園駅前 レディース鍼灸リブレ院長nbsp;