養生とセルフケアの違い
8月7日は二十四節季の13番目、立秋です。
明治国際医療大学の伊藤和憲先生は、NHKの東洋医学や鍼灸関連番組の常連です。
古典理論と臨床の集積で発展してきた鍼灸を、西洋医学的に証明する仕事を続けてこられた先生です。
そのかたが、 「養生こそ鍼灸の基本」という話をされたのは衝撃でした。
先生の定義としては、
セルフケアとは、具合の悪い所を治したり、予防したりする、マイナス思考の活動。
例えれば、「テストがあるから英語の勉強をする」ようなもの。
養生は、季節を感じながら旬のものを美味しくいただき、太極拳のように大気を取り込んで、体を気持ちよく動かして、心豊かに過ごすことを目指す、プラス思考の活動。
「世界の人と交流したいから、英語を勉強する」ようなもの、という違いがあります。
今でこそ、鍼灸は「何かの症状を緩和するもの」と思われていますが、もともとは「季節や年齢と調和して、快適に生きていける体つくりを、お手伝いするもの」でした。
確かに、私自身が鍼灸を受けるときは、「この先生に診てもらっていたら、一番バランスの崩れているところを見つけて調整してくれるだろう」と思っていますし、毎週でも通えたら、ガンになることもないだろう、と思っています。
病気になっても、最低限の食事がとれ、苦しまずに穏やかに弱っていけるだろう、と考えています。
本来、東洋医学とはそういうものなのです。
西洋薬が登場するまでは、西洋でもハーブや養生で、病気になりにくい体を作っていました。
現代は薬がどんどん開発され、検査や手術などの発達で、「病気になったら治してもらう」のが当たり前になり、年齢にあらがい、病気は治るまで闘うものになりました。
ところで、薬が認可される基準をご存じですか?
医師が扱う薬とは、ざっくり70%以上の人に効果があること、だそうです。(細かい基準は厳しく決まっている)
それより低いと、サプリメントということになります。
そして、ほとんどの人に効く薬もあれば、残念ながら25~30%の人には効かない薬もあるわけです。
そんな「薬が効かない、こじれた人」が鍼灸院に来るのですから、それなりに回復に時間がかかることもあります。
私は、鍼灸の役割は「倒れた人が、自力で歩けるようになるまでのお手伝い」と考えてきました。
そのため、できるだけ少ない回数で楽になってもらい、セルフケアで自己管理してもらい、
「しんどくなったら、また来てね~」と言ってました。
でも、“養生としての鍼灸”を目指すなら、その人に合った健康法をあーだこーだ言いながら、
「今日はこんな体になってますよ、次の季節に備えて、こんな養生をしていきましょうか」と言えます。
今でもそんな風に、リブレを利用してくれている方は、一定数おられます。
だから、「鍼灸師は、全身のバランスを客観的に観察し、全科をみるホームドクター!」と言っちゃいますね。
「しんどい時の駆け込み寺」でもありながら、「豊かな人生の伴走者」にもなれるように、精進していきます!
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枚方公園駅前 レディース鍼灸リブレ院長