筋膜リリースと経絡
筋膜とは、文字通り「筋肉を包んでいる膜」のこと。
鶏ササミが白くて薄い、しっかりした膜に包まれている、あれです。
体はさらに、すべての筋肉を包む、ボディスーツのような膜に覆われています。
体中にある膜を総称してファシアというそうです。
一つの筋肉が隣の筋肉と膜を通じてつながって、膜同士でスムーズに滑ってくれると、筋肉の痛みや引きつりは起きません。
しかし、膜がひっついたり、よじれたりすると、動く範囲が制限され、痛みが生じます。
触った感じが「コリ」や「スジ」と感じるところが、筋膜のトラブルのある所。
(あさイチより引用)
あんまやマッサージ・指圧は、コリやスジを押えたり揺らしたりして、血流を呼び込み、ほぐしていきます。
最近、流行の「筋膜リリース」は筋膜の方向を捉えて、筋膜の癒着をはがしていく手技です。
私は先日体験しましたが、感覚としては「これって経絡の流れやん」という感じです。
例えば、腹直筋のリリースが内ももに響いてくるのは、肝の経絡。
膝の外側の腓骨筋のリリースが、額関節に響いてくるのは、胆の経絡。
神経や血管のつながりはなくても、膜のつながりは、かなり距離があってもつながっているようです。
そんな所も、筋膜と経絡は似ています。
古代中国で経絡が成立した頃は、春秋戦国時代という戦乱の時代と言われています。
その頃は、戦場で内臓や筋肉を見る機会が多かったであろう事も、医学の発達に寄与したとか。
東洋医学の解剖図は、抽象的で非科学的だと思われていますが、それは、臓腑のはたらきをシンボル的に表現したから、というのが実際のところでしょう。
筋膜の交差するところがツボで、筋膜のつながりが経絡、という風に、きちんと解剖を押さえている部分があります。
もっとも、経絡は骨の上を通るもの、内臓に影響を与えるもの、自律神経やホルモンに影響を与えるものなど様々で、全てが筋膜理論では説明できません。
でも、経絡を意識することで、筋膜の硬さを見つけやすくなり、セルフケアのポイントも探しやすくなります。
東洋医学は、長らく経験値による理論を組み立ててきましたが、科学的に実態が解明されようとしています。
「気の流れ」を素粒子理論で説明しようという試みや、遠隔治療を筋膜理論で説明できたりする時代になってきました。
とはいえ、同じツボに打っても、鍼灸師によって効果が違うのは、技術の差だけではないようです。
患者さんと鍼灸師の間の、間合いというか信頼関係というか、目に見えないモノによって、成り立つ治療だと感じています。
そんなことで、鍼灸施術はロボットに代わっていかないのではないかと、密かに思っています。
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枚方公園駅前 レディース鍼灸リブレ院長