薬が効かない慢性的な痛みこそ鍼灸
痛みの発生とは(アトラアカデミーより要約)
組織が傷つくと、細胞膜にある酵素(COX)が反応を進めて、炎症物質プロスタグランジン(PG)を作ります。
PGそのものは、熱や腫れを起こして菌の拡大を防ぎますが、痛みの程度は弱いです。
しかし、同時に発生するブラジキニンが痛み物質を作り、その刺激が脳に伝わって「痛み」と認識します。
痛みは体を動けなくすることによって、体を休め、回復を早めようとする生理的な反応とも言えます。
市販の鎮痛剤は、
- 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs) ロキソニン、バファリン、ボルタレン、インドメタシンなど→酵素を邪魔してPGを作りにくくする
- 非ピリン系アニリン系薬剤(アセトアミノフェン) カロナールなど→まだ仮説段階だが、脳の痛覚を感じにくくする、など
つまり、ロキソニン系は、炎症が原因の痛みにはよく効くが、炎症以外の痛みにはアセトアミノフェンの方が効果ありそうということです。
また、ロキソニン系を飲むなら、痛み物質が大量発生する前に、抑えてしまうことです。
これに対して、慢性疼痛は、炎症は収まって組織の傷は治っているはずなのに、痛みだけが残っている状態です。
以下の3つのパターンがあります。
- 痛みが長く続いたために、神経が過敏に反応していまい、わずかな刺激も「痛み」として感じてしまう(神経障害性疼痛)
- 痛みを感じる部位が長く刺激されたために、いつも痛み信号を受けようとしてしまう(侵害受信性疼痛)
- 大脳に送られた「傷つけられたという刺激の記憶」は、感覚的にまた情動的に痛みが結びつき、脳の中で痛みが作られたり悪化したりすることが分かってきています
(実験医学2020年2月号より)
①については医師の処方するリリカという薬がありますが、②や③については運動療法や心理療法がメインになります。
しかし、慢性的な痛みの軽減こそ、鍼灸の得意分野です。
痛みを出している部位はもちろん、神経伝達の回路上、さらにストレスや疲れでキツくなる大脳性の痛みにも、アプローチできる「臓腑経絡」という理論があります。
最初は、鍼灸を受けて痛みが軽減しても、ぶり返すまでの時間は短いかもしれません。
これは「脳の可塑性」といって、大脳は急激な変化に驚いて、元に戻ろうとする性質があるからです。
早起きしようとしても、三日坊主になりがちなのはこのためです。
習慣化するのに、3日、3週間、3ヶ月の壁があるのと同じで、鍼灸も3回、3週間、3ヶ月で変化を感じてもらえるはずです。
リラックスの程度にも変化があります。
最初は鍼を置いていても眼を開けたままじっとしていた人が、施術を繰返し受けるうちに短時間熟睡モードになることもしばしばです。
こうなると、大脳で作られる痛みが軽減してきます。
皆様が「楽になった」「希望が持てる」という所まで共に頑張りましょう。
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枚方公園駅前 レディース鍼灸リブレ院長