生理前の頭重感、イライラ
いわゆる月経前緊張症(PMS)とよばれるものです。
生理前は一番子宮に血が満ちあふれていて、そのボリュームで気が動かなくなってきます。
だから東洋医学では血に関係する肝経・脾経・衝脉を中心に施術します。
中でも頭重感、イライラは、ほとんどが肝経の気の停滞から起きる単純なPMSで、回復も早いです。
これを薬でごまかしていると、さらに胃痛や足のむくみ、お腹の張りなどが加わってきます。
今度は気の停滞だけでなく、湿痰やオケツ、熱や冷え、臓腑の弱りがからんできますので、少し時間がかかります。
最近の施術例では、「寒くなると生理前にお腹が張って、足がむくむ」という方。
この方は、普段から腎の力が少し弱くて、疲れると腸の動きが落ちます。
冬は腎の季節なのですが、腎が弱いと体を温めきれず、すべての内臓機能が落ちてきます。
やっとこさ動いている腸の動きが、生理前の気の停滞に負けて、さらに動きが悪くなった結果の張りです。
また西洋医学的にも腎臓が悪いと体がむくむように、東洋医学でも共通する部分はあります。
施術は、まず冷えの邪をお灸でとばし、腎の機能を高めながら、オケツと気滞を取っていきました。
気の巡りが落ちないように、自宅での足三里のカマヤ灸もお願いしました。
まず足のむくみがましになり、お腹の張りは少し時間がかかりました。
同じ症状は脾気の気滞や脾気の弱りでも起こりますから、舌やツボの情報を注意深く判別します。
生理にまつわる症状は多彩で難しいことも多いですが、もっともっと深くわかりたいことのひとつです。