逆子を戻したいのは誰の為?~赤ちゃんの側から考えよう
「逆子」と診断されると、お母さんは「えらいこっちゃ」と思います。
まず頭をよぎるのは「お腹を切るのは嫌だ」でしょう。
わかります。どんな手術でも、身を切られるのは避けたい。
「痛そう」「傷痕は?」「入院が長引く」「次の子も切ることになる」・・・
いろんな考えが渦巻くでしょう。
でもちょっと待ってください。
それって自分のことばかり。
赤ちゃんの側にたってみたら、どんなふうに考えが変わるでしょうか?
産科の医師や助産師さんが一番心配されるのは、逆子でのお腹の張りや破水による早産リスクです。
2000gあるかないか、体の機能が未完成な時期に母体から出てしまって、無事に成長できるか、ということです。
赤ちゃんは頭が下を向いているのが、本能的に安全だとわかっています。
あえて危険な向きに入っているということは、何を訴えているのか?
それを考えることが逆子への一番の効果になります。
子宮の奇形や筋腫、臍帯の巻きつきなどあれば、逆子の向きがより安全だということもあります。
そういう物理的な原因がない場合、「お母さんの生活は、妊娠期としては少し疲れていますよ、赤ちゃんが苦しいですよ」というサインかもしれません。
「お母さん、もっと関心を向けて~」というサインかもしれません。
何事もなくお産の日を迎えられると思っていたら、そうではなかった。
無事に産まれるのって実は奇跡的なことだったんだ、と気づかされるのです。
そう気づいただけでも「逆子になったお母さんは得したな」と思います。
お腹の中に居る時から、赤ちゃんの気持ちを考え、環境を整える努力をし、祈るような気持ちで何週間かを過ごすのです。
赤ちゃんに対する思いは、何事もなくお産を迎えるお母さんの何倍も強いはずです。
お腹の中から子育てマインドが身に付いています。
最終的には「産まれ方なんてどっちでもいい」という世界になります。
母と子が元気で出会えることが幸せなのです。
それが本当のご安産です。