お灸の熱さに気をつけて~熱いのを我慢すると逆効果!
先日お客様からとても大事な報告を頂きましたので、シェアします。
妊活の方に自宅でのお灸をお願いしていたのですが、
「熱いのを我慢して頑張ると足が冷えて寝つけない。また、眠りが浅くなったり、早朝に目が覚めることもあった。
熱いっと思った瞬間に取ると足がポカポカする」とおっしゃいました。
そうなんです!
いつもお灸の練習をするときに「熱いと思ったら我慢しないでとってください。我慢すると逆の効果になるので」と言ってきました。
鍼灸師には脈とか舌とか、逆効果になっていることを確かめる指標があるけれど、実際に体感を伝えてもらったのは初めてでした。
ありがたいです。
そもそも鍼灸には補瀉(ほしゃ)という考え方があります。
最近は養命酒のCMで「温補」という言葉が使われています。
「補」とは足りない部分に気を補うことで、凹んだツボに張りが出ればOKです。
お灸で補うときは、ふんわり温かいお灸にします。
「瀉」とは気血水がたまって動けないのを散らすということで、張って硬く盛り上がったツボが緩むとOKです。
お灸では熱いピリッとくるのを我慢して、粉砕するイメージです。
↑ 補のお灸
↑ 瀉のお灸
妊婦さんや妊活の方のほとんどは、血を補うイメージでお灸をします。
だから「熱くなったら取る」なのです。
でも人情として「冷えを取るんだから、できるだけ熱を入れたい」というのもわかります。
少しずつ我慢しているうちに、毎日熱さに慣れていって、瀉のお灸になってしまいがちです。
自宅で毎日お灸をしてもらっていても、時々鍼灸院で点検したり、何度か注意点として繰り返しお伝えしたり、ということが必要なんだなぁと反省しました。